家族の病気や怪我の症状が悪化してくると、回復を願う一方で、周囲は「死」も考えるようになってきます。
しかし、危篤であることを実際に告げられると、覚悟はしているつもりでも、やはり心は大きく揺れ動くものです。それでも、危篤になってから、しばらくは時間的余裕があると思って、落ち着くようにしましょう。
残された時間を有意義に使うことが本人のためにもなると思えるようにすれば、次第に落ち着きを取り戻せるはずです。
危篤の連絡には、漏れがないように細心の注意を払いましょう。
仮に今、交流が途絶えていても、肉親には必ず連絡をとるようにします。
親戚関係で、特に親しくつきあっていないようにみえる場合でも、三親等内であれば、一応連絡しておくのが無難です。
知らされたほうで迷惑がられてしまうことがあるかもしれませんが、「知らなかった・・・」と後で恨まれるよりは良いでしょう。
危篤の連絡は、個人的な感情よりも優先させるべきものともいえるからです。
菩提寺とは
先祖代々のお墓がある所を菩提寺といいます。「菩提」という言葉は、サンスクリット語で「悟り」を意味する「ボーディ(BODHI)」から来ています。
仏教においては、すべての煩悩がなくなった高い悟りの境地を「涅槃(ねはん)」と呼びます。
「菩提を弔う」が「死者の冥福を祈る」という意味で使われるようになったのは、この「菩提」と「涅槃」という2つの言葉が同一視されるようになったためです。
菩提寺は、菩提所、菩提院、香華(こうげ)院、檀那(だんな)寺、などとよばれる事もあります。
カトリックは臨終の祈り、プロテスタントは枕頭の祈り
キリスト教では「死」は終わりではなく、復活の恵みにあずかるよう、神の「み手」にゆだねることを意味しています。
死の危機が迫っている臨終の場には牧師又は神父ができるだけ立ち会い、主の助けを祈ります。
カトリックでは臨終の際、最後の糧である聖体拝領(キリストの体と血を象徴するパンとブドウ酒)を授かり、できるなら塗油もして祝福します。
死の直後には皆で、亡くなっていく人を神の「み手」にゆだねる祈りをします。プロテスタントでも死の危機が迫った際、聖餐式(カトリックの聖体拝領)を可能ならばおこなうことがすすめられます。
枕元で遺族と共に死にゆく人へ主の助けを祈ります。死の直後には、遺族・関係者が死の現実を受け入れ、神の恵みにより平安が与えられ、死者を「み手」にゆだねることを祈ります。
キリスト教両派の違い
カトリックは旧教ともいわれ、ローマ法王を頂点にした公同教会です。
プロテスタントは、16世紀に宗教改革によりローマ・カトリック教会から分離したもので、新教ともいわれ、ルター派・カルヴァン派など各派に分かれています。
儀式に関しては、カトリックは行われ方が定まっており、厳粛に執り行われます。一方プロテスタントは、儀式についてはかなり自由な面があり、各個々の教会や牧師の考え方によってバリエーションがみられます。
受付係や道案内係、駐車場係、接待係等、役割分担します。
市役所又は町村役場に死亡届を提出します。印鑑が必要です。
死亡診断書とセットになっております。あらかじめ死亡診断書はコピーを取っておいて下さい。
一旦提出するとコピーが取れませんのでご注意下さい。又、弊社にて手続きを代行いたします。
届出が受理されますと、死体埋火葬許可証が発行されます。火葬の際に必要ですので大切に保管して下さい。
近頃では一般の人には知らせず、又は知らせても参加を遠慮してもらって、身内だけで故人を弔い、火葬する「密葬」を営むケースがでてきました。
密葬は会葬者を迎える準備をしないだけで、僧侶など宗教者を招かないというものではありませんし、菩提寺に埋葬するなら、戒名をもらう必要もあります。
又、費用をかけないジミ葬と密葬を混同している人もいるようですが、密葬は葬儀の規模や費用の多寡とは関係ありません。会葬者への接待に心をくだくことなく、身内やごく親しい人だけで、密やかに故人を送る事を目的にした葬儀をいうのです。
通夜ぶるまいの準備、会葬礼状の枚数、火葬場まで行くためのバス、仕上げの膳の手配など、葬儀に参列する人数を前もって、ある程度予想しておかなければなりません。
会葬者の予想は、葬儀を無事に執り行うためにはとても重要なことです。
故人に来ていた年賀状の枚数が、故人のつきあいの目安になります。
それに喪主の関係者、喪主以外の家族のつきあいも加えます。
そして、町内会や近所の人たち等を合計すれば、だいたいの会葬者数が予想できます。
葬礼状などは、もし足りなくなったら困るものなので、人数は余裕をもって見積る方が良いでしょう。
火葬場まで同行してもらうのは、親戚及び故人とごく親しかった人です。
火葬場までの移動はバスなどを利用するのが一般的です。
バスも大型・中型・小型とありますので定員をよく確認しましょう。
ただ、火葬場に行く人数は葬儀式の雰囲気で「自分もぜひ」といってくる人が現れるなど、かなり流動的なものですから、余裕を持って考えておきます。万が一の場合に備え、自家用車を出す準備をしておけば万全でしょう。
仕上げの膳の料理と飲み物は、葬儀の前に注文します。注文数は火葬場へいく人数と、隣保の方などお手伝い頂いた方の人数になります。葬儀式当日朝、再度数の確認を。
死装束の着せ方(僧侶や巡礼の姿に)
仏式では納棺をするときに、遺体に経帷子(きょうかたびら)と呼ばれる死装束をつけさせます。
経帷子は左前に着せ、天冠を頭の脇に置き(本来はかぶせるもの)、手には手甲(てこう)、脚には脚絆(きゃはん)をつけます。
そして、白足袋、わらじを左右逆に履かせ、六文銭入り頭陀袋を肩に掛け、手に数珠と杖を持たせます。
経帷子は僧侶や巡礼の姿になぞらえたもので、遺体にこうした旅支度をさせるのは、西方浄土への旅立ちを意味しています。六文銭は三途の川の渡し賃です。
現在では、経帷子は衣服の上に掛けるだけの事が多く、死装束のつけ方も簡略化されてきました。また、故人が好きだった洋服や着物を着せることも多くなっています。
神式の通夜
神式で通夜に当たるのが「通夜祭」と「遷霊祭(せんれいさい)」です。
通夜祭は、遺族や親族が遺体のそばで夜を明かしながら、故人に対して生前同様の礼を尽くして手厚く奉仕する儀式です。
遷霊祭は、故人の霊を霊璽(れいじ 仏式でいう位牌)に移し留める儀式の事で、又の名を「みたまうつし」といいます。どちらも葬祭場(告別式)の前夜に、自宅で行われるのが一般的です。
又、「直会(なおらい)」と呼ばれる通夜ぶるまいも行います。料理は肉や魚もタブーではありません。
キリスト教の通夜
通夜のことをカトリックでは「通夜の祈り」、プロテスタントでは「前夜式」や「通夜の祈り」などと呼びます。自宅、教会のほか葬儀専門式場で行うこともあります。司会は牧師、または神父が務めます。
通夜の進め方や祭壇のつくり方は、各教会によって違いますから教会の指示に従います。キリスト教の文化圏では通夜は営みません。通夜は日本の習慣に合わせて生まれたものといえるでしょう。
自由葬
自由葬には、死亡届の提出義務や、24時間以内の火葬禁止、遺体損壊・遺骨遺棄といった 法律上の規則を守りさえすれば、ほとんど決まり事はありません。
オリジナルの発想を生かして、自由に式を組み立てることができます。
例えば故人が音楽が好きな人だったら、式の合間に合唱や楽器の演奏を取り入れた「音楽葬」にしてみてはいかがでしょう。又、お決まりの白木の祭壇の代わりに、故人の好きだった花を敷き詰めた「花祭壇」も良いと思います。式場の片隅に、故人の愛用品や写真などを展示した「思いでコーナー」を設置したり、会葬者に寄せ書きをしてもらうなど、自由葬にはさまざまなスタイルがあります。自由葬には、あらかじめシナリオが用意されていないだけに、企画と準備には大変な労力が要求されます。難しいでしょうが、成功すれば、故人の人となりやメッセージが凝縮された、誰の心にも残る葬儀を演出できるでしょう。
気をつけたいポイント
自由葬は、葬儀自体よりも「自由葬」に決定するまでが大変だといわれています。
自由葬に理解を示さない人は、まだまだ多いのが現状です。遺族は確固とした意志がないと、周囲の人を説得するのは難しいでしょう。自由葬に決まったら、はっきりとしたプランを持つことが大切です。
葬儀社に任せておかず、「喪家が葬儀社を利用する」という感覚を、持った方がいいでしょう。
忘れがちなのが葬儀の後のことです。仏教なら四十九日などに法要が営まれますが、自由葬では特に決まった追悼儀礼はありません。何もやらないのか、やるとしたらいつ、どういう形にするのか。
自由葬はここまで自分の考えを明確にしてから、はじめて選択肢の一つになるのです。
出棺について
出棺におけるしきたりのひとつに「柩は玄関以外から出す」というのがあります。
これには、死者の霊が戻ってこないように、あるいは、日常の作法とは逆にすることで死にあやからないように、という意味があるといわれています。
しかし現在では家の構造上、玄関から出ざるをえない場合も多いようです。
なお、柩を運ぶ際は関東の方では足の方、関西では頭の方を前にすることが多いようです。
最後の別れ
火葬場に到着したら、火葬場の職員が霊柩車から柩をおろして、炉の前に安置します。
ここで本当に最後のお別れです。炉の前で喪主から遺族・親族と関係の深い順に焼香をします。僧侶が同行した場合は、この間読経がなされます。覚悟はしていても、故人の遺体が炉の中に消えていくのを見るのは、つらいものです。合掌して故人の冥福を祈りましょう。
自宅や料理屋等で宴席を設け、お世話になった方々の労をねぎらいます。
献杯
弔辞の席では乾杯とはいわず、故人に捧げるという意味で「献杯」といいます。
仕上げ膳の後で
葬儀を終えると、遺族はここ数日の疲れがどっと押し寄せてくるものです。
しかし、一息つく前に世話役の面々と細かな事務の引き継ぎを済ませておきましょう。
引継をするタイミングは、世話役の顔ぶれがそろっている仕上げの膳の後が最適です。
特に出納帳や香典帳を受け取る際には、すぐ残金や香典と照らし合わせ、もれがないかチェックしておくことが大切です。
足から拾う
骨あげとは、火葬を終えた後に遺骨を骨壺に収める儀式です。
喪主から故人と関係に深い順に、2人1組で箸を使い、一片の骨を骨壺に運びます。
これには「箸」と「橋」をかけ、故人をこの世からあの世へ橋渡ししようという思いがあるといわれます。
骨を拾う順番は「足・腕・腰・背・頭・喉仏」等で、火葬場の担当者が誘導してくれます。
お寺参り
お骨上げ終了後、お骨と共に菩提寺へお寺参りをします。
そこで『還骨回向』と呼ばれる法要を営みます。その後、枕経から告別式のお布施をお渡しします。
・葬儀後2~3日中に「挨拶回りに」赴きます。ご寺院、隣保、会社関係、特に親しかった方など
・初七日法要は没日の前日から数えて七日目に行なう大切な供養です。
最近では葬儀の日に初七日を繰り上げて行う家が増えてきています。葬儀の日に初七日を繰り上げて行うのであれば、初七日のお膳は省略されて、代わりに粗供養の品を付けられる方が多いです。
・後飾り祭壇に安置する白木位牌は忌明け以降、「本位牌」になります。戒名を入れた黒塗りの本位牌をお寺院様が開眼供養して仏壇に安置します。位牌は戒名などを入れなければならないので早めに準備します。浄土真宗では位牌は使いません。代わりにご寺院様にお願いして、法名軸か過去帳に故人の法名を記入します。
・自宅に仏壇がない場合は、忌明け法要までに用意します。必要な仏具や飾り方は宗派によって異なるため、仏壇を購入する際、宗派を仏壇店に言ってそろえます。新しい仏壇はお寺院様に開眼供養してもらいます。
・お寺様と相談されて、忌明け法要の日時と場所が決まりましたら、出席願う方へ案内状を出します。法要後、会食を行う場合は、その準備もします。
・忌明け法要後にご香典をいただいた方に対し満中陰の返礼品をお送りします。
弊社でも取り扱いいたしております。法要日の2週間前までにご注文お願いします。
日記帳や手帳は処分しない
四十九日が明けたら、故人の遺品の整理をはじめましょう。故人の思い出が詰まったどれも大切な品ばかりでしょう。つらいかもしれませんが、気持ちを切り替えるためにも処分するものは思い切って処分し、保管するものはとりわけておくようにします。とっておきたいのは日記帳や手帳、住所録です。また、仕事に関する書類は最低7年間は保管しておきましょう。後で過去の税金が問題になることもあるからです。
遺言書があったら
遺品の中に遺言書を見つけたら、開封せずにすぐに家庭裁判所に届け出、「検認」を受ける手続きをしましょう。遺言書は、この検認を受けてはじめて正式なものと認められます。検認を受けなくても効力には変わりありませんが、後で遺産分割について協議がまとまらないなどで公になったときに、過料(過失償うための金)を科せられる事があります。
葬儀時から満中陰までは上段中央に「御霊前」とそれ以降は「御仏前」と書きます。
ただし、亡くなると同時に仏になる浄土真宗の場合は満中陰前、葬儀から「御仏前」と書きます。又、上記他には「御香典」や「御香料」等があります。
※ただ、会葬する方にとっては喪家の宗派を事前に知るのは、なかなか困難な事であり、神経質にこだわる必要は無いと思います。それでも避けたいと思われる方は「御香料」とします。
銀の水引(無ければ黒白でも構いません)を使います。表書きは「御玉串料」と書きます。
「御神前」または「御榊料」と書くこともあります。
蓮の柄がついた香典袋を時々見かけますが、神式には使えません。
水引は無くても構いません。表書きは「献花料」や「御花料」と書きます。
又、中袋には喪家が香典の整理をする際に重要な資料になりますので、住所・氏名・金額をはっきり書きましょう。
グループで包む場合は半紙などにメンバー全員の名前を書き中へ入れます。
表書きは「○○会有志」とか「○○会社営業部一同」のようにグループ名称のみ書きます。
通夜・告別式とも出席出来ないときには現金書留で香典を郵送します。
この場合まず、現金を香典袋に入れてから現金書留の封筒に入れます。
その際には出席出来ない理由と、故人を偲ぶ手紙を添えると心がこもるでしょう。
御香典は遺族の方が後で整理しやすいように出すことが重要です。
住所や氏名は見やすいように書きましょう。
香典を霊前に直接供えるときは、自分の方から読めるよう(霊前に対して逆向き)に供えます。
受付で渡す場合は、相手から読めるように渡します。
喪家によっては、「故人の遺志により」とか「喪主の意向により」等の理由により香典辞退の案内が受付にある場合があります。
その時は無理に渡す事は控えましょう。
とり急ぎ通夜の弔問に駆け付けるときは、なるべく地味な服装が望ましいですが、平服のままで構いません。男性の場合は、できればネクタイと靴下を黒に変えましょう。
葬儀告別式に参列時の一般的な服装は、通常礼服です。しかし、特に親しい間柄でなければ黒めの平服で構いません。男性はダークスーツと黒のネクタイ、黒靴。
女性は黒もしくは地味な色のスーツかワンピース、それに黒靴が望ましいでしょう。
男女を問わず、黒であっても光沢のあるものは避けましょう。
鰐皮のバック
いくら黒とはいっても鰐皮のハンドバックや毛皮のコートは、葬儀にふさわしくないと思われます。
本来、天然皮革や毛皮はカジュアルな服装で、フォーマルには不向きなものです。
派手な黒服より
ある葬儀で見かけた若い女性の服装。
黒い服でも、胸元が透けているデザインで、袖口にもすそにもフリルがいっぱい。
おそらくこの女性は、黒の礼服がなくて、自分の持っている唯一の黒い服を着たのでしょう。
でも派手な黒服を着るよりは、地味な色やデザインのワンピースのほうが良かったのではないかと思います。
ブランドものは
バッグや靴、アクセサリーなどすべてブランドもので、かためている人がいました。
一目で○○ブランドとわかるような派手なマークや飾りの付いた小物は、いくら黒や地味でも目立つので、避けた方がいいのではないでしょうか。
通夜でも素足は
たぶん勤務先から通夜に直行したのでしょうが、素足にサンダルというのは失礼だと思います。サンダルは仕方がないとしても、せめて途中でストッキングを買って、はいてくるぐらいの心遣いがほしいものです。
通夜とは、その字の通り夜通し遺体と共に過ごすことをいうのですが、現在では夜通し遺体を守るのは近親者に限られます。本来、通夜は正式な儀式ではなく、身近な親しいの集まりなので厳密なしきたりといったものはありませんが、席順は血縁の近い人から祭壇のそばの近くに着くのが普通です。
通夜ぶるまいなどを喪主から勧められた場合には、一口でも箸をつけるのが礼儀です。
このときに注意したいのが喪主の家族は看病疲れや、葬儀の準備で忙しいので、早めに切り上げましょう。
遺族から勧められない限り対面は控えるのが礼儀です。
対面の作法は、まず遺体の枕元から少し下がって正座します。
一礼の後、遺族が顔の白布を外したら膝をつけたまま近づきます。
対面の後、もう一度一礼して合掌します。そして遺族にも一礼します。
逆に、対面してくださいといわれたけど、気が進まないときには、「あまりにも悲しくて、よくお顔を見られませんので」などと、やんわり断りましょう。
お悔やみの挨拶は、平凡でありきたりのもののほうが良いでしょう。余計な事を言うと、かえって差し障りができてしまう事も考えられますので、短く済ませましょう。また、「なお・また・再び」のような忌み言葉と、「度々・重ね重ね」等の重ね言葉は避けましょう。
2~3例文を紹介しておきます。
「この度は誠にご愁傷さまでございます。突然のことでさぞやお力を落とされていることと存じます。」
「突然のことでお慰めの言葉もありません。心よりご回復を祈っておりましたのに、本当に残念でなりません。」
「この度は誠に残念なことになりまして、心からお悔やみ申し上げ御冥福をお祈りいたします。」
焼香が終わって遺族が立礼で頭を下げているときに、「がんばってください」と声をかける人がいますが、これは考えものです。
もう、すでに葬儀まで精一杯がんばってきている遺族に、神経を逆なでするような、思いやりのない言葉と受け取られるかもしれません。
同様に「大変でしたね」というのも、遺族としては答えようがない場合もあります。
なにもいわないのも、心配りの一つかもしれません。
故人の死因は、弔問者側から聞かないのがマナーです。遺族にしても「もう、そろそろ」と覚悟していた場合は、ある程度の心の準備はできているでしょう。
しかし、自殺や事故で、本来は亡くなるはずのなかった人を亡くした場合は、やりきれない思いで心は相当乱れているはずです。
また、病名を人に知られたくないという事情が絡んでいることもあります。
遺族が死因にふれない時は、弔問者もさりげない態度でのぞみましょう。
弔辞を頼まれたら断らないで引き受けるのが礼儀です。弔辞は喪家に保存されますので、丁寧に書くべきですが、文章は真心が伝わるように自分の言葉で書くのが良いでしょう。
ごく一般的な弔辞文作成のポイントを簡単にまとめておきます。
1.まず、亡くなったことへの悲しみを述べます。
2.次に故人の業績や人柄を、大袈裟にならない程度に讃えます。
3.そして遺族を励まし、自分に出来ることがあれば力になりたいと誓います。
4.最後に故人の冥福を祈り結びとします。
ここでも忌み言葉は使わないように注意しましょう。正式には厚手の巻紙に書きますが、最近では経本のようにジャバラ折りにすることも多いようです。そして奉書で包み、表に「弔辞」と書きます。
葬儀に出席できない場合、電話でのお悔やみは避けましょう。喪家では葬儀の準備などで忙しく、さまざまな連絡用に電話を使用しなければならないからです。なるべく電報を利用するようにしましょう。
電報は典禮社でも取り扱っております。
タバコ
葬儀の際、式場や控え室でタバコをプカプカ吸うのは困りものです。
人ごみでタバコを吸うのは一般でもあまり許されることではありません。
携帯電話
マナーモードか電源OFFにしましょう。
車の利用
個人宅での葬儀に車で弔問するのは、できれば控えたいものです。
遺族もなるべく駐車場の確保には気を使いますが、住宅事情等やむを得ない場合もあります。又、近くの道路に路上駐車をすると一般車両はもちろん、霊柩車やバス等の邪魔にもなりなりかねません。
事前に駐車場の確認するか、公共交通機関を利用したいものです。
仏教ではお葬式をはじめ、さまざまなご法要の祈りに必ずお焼香をします。
これには、御仏前を荘厳にすることによって敬虔な心を捧げるという意味があります。
香は人の気持ちを快くするものですが、それと同時に芳香によって心身を清めるといった意味もあります。
香は仏教だけでなくキリスト教(カトリック)の葬儀でも、前夜式などで用いられているようです。
普通、近親者の焼香は葬儀式の時間内に行われ、一般会葬者の焼香は告別式のなかで行われます。
1. 遺族に一礼をして焼香台のある御仏前に進み、ご本尊と遺影を仰ぎ頭を下げて黙礼します。
2. 右手で香をつまみます。
3.額の所まで押しいただきます。(浄土真宗ではいただきません)
4. 香炉に静かにくべます。回数は宗派によって違いますが、会葬者が多いときは一回だけ行うことが慣例化してます。
5. 合掌礼拝します。最後に遺族に一礼し退きます。
浄土宗
「真心を込めて一心に」で一回、「身を静めて一回、心を清めて二回」の二回「過去・現在・未来の衆生に回向」の三回などがあります。
浄土真宗
自分の心身を清めるためとも説明され、基本的には香を戴くことはしませが、大谷派は「心と身」で二回、本願寺派は「心」で一回などもあります。
真言宗
三回。
「仏法僧に供養すること」、「身口意の三密修行に精進すること」、「戒香・定香・解脱香」等の教えがあります。
天台宗
一回。
曹洞宗
回数にはこだわりません。
臨済宗
通常一回ですが、回数にはこだわりません。
日蓮宗
三回。
「仏法僧の三宝供養」や「空仮中の三締」にならうといわれています。
日蓮正宗
三回。
時宗
一回。
数珠はもともと、お経やお題目をあげるときにその数を数える法具でした。
今ではお経やお題目を唱えたり、仏様を礼拝するときに手にかけてお参りします。
数珠は持ってるだけで功徳があるとされ、普通百八の珠からできています。
これは、百八の煩悩を退散・消滅させる功徳があるからだといわれています。
珠の数はこのほかにも、百八の十倍の千八十のものから、六分の一の十八のものまでさまざまあります。
形式については宗派によって若干の違いがありますので求められる時に確認したほうが良いでしょう。
又、数珠のかけ方も宗派によって異なりますので、代表的な宗派について紹介しておきます。
合掌は、仏様を尊び、供養する気持ちを表したものです。一説によれば右手は仏様を表し、左手は私たち凡夫を表すといいます。手を合わせることによって仏様の境地に私たちが近づけるというのです。いずれにせよ、掌を合わせることによって心が落ち着き、精神が安定するのではないでしょうか。
合掌のしかたは、まず、指と指の間を離さずくっつけて、掌をピッタリ合わせます。位置としては胸の前に、胸にはつけないで少し前に出します。掌の角度は四十五度くらい。肘は張らず、脇も力を入れて締める必要はありません。肩の力を抜くようにすればよいでしょう。合掌にもいくつかの形がありますが、この形がもっとも代表的なものです。